協力集団の二重構造 -未進化な心の混乱-

リベルの「未進化な心の混乱 〜現代のコミュニティ生活のあり方を考える〜」の添付資料です。

※本資料は、2019年8月15日時点での見解であり、今後更新される場合があります。更新があった場合は、その履歴を記載させていただきます。

  内側=進化的適応環境 外側=文明特有の環境
環境の形成時期 200万年〜1万年前 1万年前以降
協力集団の規模 〜150人(直接協力集団) 数千〜数億人(間接協力集団)
集団の構造 内集団が離散的に存在 内集団が重なり不明瞭化
知っている人 一蓮托生の仲間 協力しても裏切られる可能性あり
信頼の判断 人間の誠実さ 法・契約・ブランド・お金などの記号
アイデンティティ 内集団に閉じる 星形内集団で拡がる
築かれた感情(一部) ・裏切りに対する強い嫌悪
・承認の欲求
・アイデンティティの一貫性への意識
協力の形式 自給自足の内集団 内集団を超えた分業集団
生活の基盤 衣食住と安全の不安 衣食住と安全の確保
見知らぬ人 外敵と見なす 潜在的協力者と見なす
協力の拡大 内集団で時間を超えて 内集団間で空間を超えて
仕事のあり方 内集団での分担 社会の仕組みの一部に寄与
利得のあり方 内集団に囲まれる 個人本位で流動的
不確実さ 内集団の近い将来 個人の行方(裏返せば自由)
コミュニケーション手段 対面による相互交流 記号や文書情報による伝達
情報の質 画一的だが濃密 多様で矛盾を含む
情報への姿勢 まずは信じる 懐疑の精神
重要な能力 対話・模倣・共感 読み書き・論理的批判・システム化
重要な記憶 具体的事例 抽象的規則や経緯
価値ある認知 知覚世界 想像世界
行動の支え 生得的な遺伝 文化的な教育